これは岡野隕鉄の情報ページです。
- 岡野隕鉄とは
その昔、岡野地域は、南に流れる篠山川、北にそびえる盃山に囲まれ、中央には諏訪の森が鎮座する豊かな農村地帯でした。
そんな平和でのどかな岡野村 今福(現在は丹波篠山市今福)に突然、大きな雷鳴のような大音響がとどろきました。明治37年(1904年)春、あちらこちらに桜の花が咲き誇る4月7日の午前6時35分ごろのことです。
大きな音に驚き、空を見上げた畑 勝蔵さん(故人)は、何かの物体がお寺の裏山に落下するのを目撃しました。一緒にいた2人とともに裏山に駆け上り、辺りを探したところ、樫の木が裂け、その根元に煙が漂う直径20センチ、深さ80センチの穴があいているのを見つけました。畑さんら3人は、尖った方を上に向けて突き刺さっていた黒い石のようなものを掘り出しました。
畑勝蔵さんのお孫さんに当たる畑利清氏所蔵の絵画(小田浩平氏作) |
この黒い石のような物体は、当時の京都帝国大学(現在の京都大学)理工科大学採鉱学第三講座 初代教授の比企 忠(故人)教授のもとにわたりました。その後の分析で鉄の成分が94.85%と多く含まれている一方、通常は7%程度含まれているニッケルが4.44%と少ないため、ウィドマンシュテッテン構造と言われる隕鉄特有の美しい模様が見られない、ヘキサヘドライトという大変珍しい隕鉄であることが判明しました。比企教授はこの隕鉄を『隕鉄 岡野号』と名付けました。
故 比企 忠(ひき ただす)教授 | 京都大学保管の隕鉄 |
『隕鉄 岡野号』の断片は、比企教授からイギリスやアメリカに送られ、今もイギリス・ロンドンの大英博物館(自然史博物館)やアメリカ・シカゴのフィールド博物館で保管されています。
日本では、京都大学総合博物館で保管され、令和元年7月から11月まで比企教授の鉱物コレクションを公開した特別企画展に『隕鉄 岡野号』も展示されました。
大英自然史博物館の所蔵品リストに岡野「okano」の名前とヘキサヘドライト「Hexahedrite」と種類の名前があります。 |
- ふれあい祭で紹介
令和元年(2019年)11月のふれあい祭で岡野隕鉄のレプリカと一緒にパネル展示しました。
展示の様子 | 2018年当時の小学4年生が考案したキャラクター |
- 記念碑
兵庫県、丹波篠山市の補助金と篠山天文同好会の創立30周年事業の寄付金により、落下地点までの階段、案内板、記念碑が整備され、令和3年(2021年)3月式典が行われました。
記念碑の表面 | 案内板 |
記念式典の様子(2021年3月6日)地元関係者のほか県会議員、篠山市長も出席された |
- 落下地点
落下地点を空撮しました。